おくすり手帳のお話

Posted By on 2012年2月6日

 

問診で何かお薬を飲まれていると言われた患者様には

必ず“おくすり手帳”を拝見させていただいています

手帳をお持ちでない方は薬局で渡された薬の説明書でもかまいません

必ずお持ちください

“おくすり手帳”を見せていただく事で

歯科治療の診療方針に非常に役立つのです

特に抜歯や歯科小手術の治療を受ける場合には血が止まりにくかったり

骨が再生しにくかったりするものもあるため注意が必要なのです

血液に対する作用を有する薬剤で

止血しにくくなるものに抗凝固剤があります

主に高血圧・脳梗塞の予防に使用されている

ワーファリン、チクピロン、バイアスピリン等があり

抜歯時に内服を一時的に中断していただくものや

内科の先生と連携をとり

続行しながらも止血に注意して手当を考えなくてはならない薬があります

麻酔薬も血管収縮薬(エピネフリン)や防腐剤が入っていないものを使用する事もできます

骨に対して作用する薬剤で、骨粗しょう症・骨疾患治療薬である

ビスホスホネート薬の投与を受けている方の抜歯で

顎骨壊死等の治療不全があったとの報告もあります

こちらも内科や整形外科の先生に必ず確認してから処置をしています

また、そのほかある種の抗てんかん薬・高血圧の薬により

歯肉肥大が起こり、歯周病に移行しやすくなる場合もあります

抗けいれん薬のダイランチン、高血圧や狭心症の治療薬として

カルシウム拮抗薬があげられます

歯肉の肥大では歯周治療により良好に改善していきます

また、全身疾患では糖尿病と歯周病の関連も報告されており

医科と歯科の相互の治療で改善されると良好になっていきます

 ですから“おくすり手帳”を見せていただけると

歯科の治療を進めていくのに非常に助かるのです

先日、初診でお一人でみえたご高齢の患者様で

毎日お薬を飲まれているのに

“おくすり手帳”や説明書きの紙を失くされてしまった方がいました

「いつも飲まれているお薬はどんなお薬ですか?」

『ん~?わかんないけど ドンペリいつも飲んでる』

「いやいや お薬です 何のお薬ですか?」

『ドンペリを“まいんち”飲んでる』

笑いを堪えながら「あっそうですかぁ」w

アルコール依存症には診えませんが

ご高齢でだいぶ精神的にも病まれているのか・・・

そんな事を思いながら

次回来る時そのお薬をお持ちくださいと伝えて

入れ歯の調整をし、その日はお帰りになりました

毎日ドンペリが飲めるなんてぇ~??

まさかとは思いましたが、昼休みに念のため

ネットで 【ドンペリ 薬】で検索してみたのです

すると なんとビックリ!!

ドンペリン錠10

どんぺりんo0480048012498310554

ほんとうにあるんだぁ

胃や十二指腸のドパミン受容体に作用して吐き気を抑えるお薬だそうです

私の勉強不足でした 申し訳ございません

http://youtu.be/29vO71hrcGA

About The Author

The Damnedやツネマツマサトシ、The Stoogesなどのカヴァー曲をリハーサルした後、初めてのライブをコイケミュージックホールで行なう。あまりにもメチャクチャで荒々しい演奏のせいで、わずか15分ほどで電源を切られTHE HOODLUMのデビューライブは終わった。そんな原点が今の活力!歯科医師としての情熱に繋がっている。

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