児童虐待のお話
Posted By Dr. Feelgood on 2013年4月10日
春は学校歯科健診のシーズンです
子どもの歯科健診は
1歳半と3歳
就学後は毎年の実施が義務付けられています
我々歯科医師はこういった歯科健診の場で
日常的に虐待を受けている子どもに接する機会は意外に多く
その通告義務が課せられているのです
口内外の傷やむし歯の状態から
虐待を受けている疑いのある子どもに
早期に気づかなくてはいけないのです
健診時は主に育児放棄(ネグレクト)と
身体的虐待(フィジカルアビューズ)の可能性を診ます
育児放棄(ネグレクト)の疑いは
いちじるしい身体・衣服の汚れ
低体重・低身長などで
これは外見からも判断がつきます
我々の専門 口腔領域で目をつけるのは
口腔ケアの不備からくる未処置の多数性う蝕や
歯肉の腫れの放置など
治療可能なう蝕や、慢性疾患に対して
治療を受けさせていないでは?というところです
そして毎年行っている
定期健康診断後の治療勧告に対して
常に保護者が従わないことなども怪しく考えます
身体的虐待(フィジカルアビューズ)に対しては
6割がそれらの部位に行われているという
顎顔面、頚部にまで幅広く観察が必要で
特に頚部や耳介は
偶発的な外傷を受けにくい場所なので
注意深く診なくてはいけないと思っています
新旧の外傷が混在することは
日常的に身体的虐待を受けている可能性を疑います
特に唇に残った皮下出欠や古い瘢痕は
継続的な虐待を疑う根拠となります
そして、噛み付くというとんでもない親がいます
咬傷(BiteMark) これがあったら
歯科医を騙すことはできません
“犬や兄弟に噛まれた”は通用しません
スケールをあててみれば一発!
犬歯間距離が3㎝ あれば成人の噛み跡です
即被疑者確定!
虐待している親はその行為を隠蔽し
よほどのことが無い限り
歯科医院を受診しません
児童健康診断は
心身の発育状況
成育環境を多面的に評価する
絶好の機会なのです
無言のSOSに気づいてあげられるよう
これからも注意深く観察に努めていきます
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