七月の朝

Posted By on 2012年7月17日

 

むかしむかし

実家の近所に

父親が経営していた

歯科技工所の寮があった


この右側の建物

そこには東北や北海道など地方から出てきて

技工所で働くお兄さんたちが4、5人住み込んでいた

やがて中学生になった私は

その寮の開け放った窓から

毎週日曜日に朝から晩まで聴こえて来る

馬鹿でかい音量の“ハードロック”がお気に入りだった

もちろんニッポン放送の「ポップス・ベストテン」や

ロイ・ジェームスの『不二家歌謡ベストテン』なんかより

よっぽど影響を受けていた

 今じゃあんな大音量でステレオを鳴らしたら

近所迷惑どころか警察が飛んでくるだろう

よくかかっていたLP(アルバム)は

Ritchie Blackmore’s Rainbow銀嶺の覇者)

Rising虹を翔る覇者)

だったのだが

夏になると

 ばかりが聴こえてきた

ベープマットの威力より蚊を落とすんじゃないかっていう

超馬鹿でかい大音量でw

ある日

自分の持っているレコードを抱えて

お兄さんたちの部屋を訪ねた

まだアイドルグループのシングル盤しか持っていなかったけど

自分の部屋のステレオじゃ 全く迫力がないから・・・

足の踏み場もないほど雑誌やコードブックが散乱した

独身寮独特の臭いのするその部屋

入るとそこは まるで

当時、映画館で観たばかりの

 にいるようだった

鼓膜がどれだけ耐えられるかw

人体実験のように腹にBassが響く

ウーファーからの振動と

首フリの壊れた扇風機が熱風を運んで来る

でもその空間がいつの間にか

か・い・か・ん

だから今でも

梅雨明けのこの季節になると

 あのハードロック

馬鹿でかい音量で聴きたくなる

今、家でやったら

たぶん家族や近所から

 っと思われるので

もっぱら夜中に西湘バイパスを愛車ですっ飛ばしながら

ひとりで思う存分聴いている

今宵も

 ユーライア・ヒープの名曲

七月の朝

後半の延々と繰り返されるユニゾン・フレーズ

そのリフレインがぐるぐる頭の中で

ずっとずっと鳴り響いている

また 夏が来た

http://youtu.be/nzRrGNygjzs

About The Author

The Damnedやツネマツマサトシ、The Stoogesなどのカヴァー曲をリハーサルした後、初めてのライブをコイケミュージックホールで行なう。あまりにもメチャクチャで荒々しい演奏のせいで、わずか15分ほどで電源を切られTHE HOODLUMのデビューライブは終わった。そんな原点が今の活力!歯科医師としての情熱に繋がっている。

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