非歯原性歯痛のお話
Posted By Dr. Feelgood on 2018年5月12日
むし歯や歯周病などの原因がないのに起こる歯の痛みを
非歯原性歯痛といいます。
非歯原性歯痛は、2014年から国家試験の出題範囲に含まれるようになり
最近になってようやく注目されるようになりました。
ではどのような原因で歯が痛く感じるのでしょうか?
いくつかご紹介いたします。
1.筋・筋膜性歯痛
簡単にいうと「筋肉痛からくる歯痛」です。
これは関連痛といわれるものです。
2.神経障害性歯痛
いわゆる神経痛と呼ばれるもので
瞬間的に刺されたような激痛が起こる「発作性神経痛」と
じりじりと焼けつくような痛みが
24時間絶え間なく続く「持続性神経痛」に分けられます。
3.神経血管性歯痛
頭痛による関連痛といって良いもので
お口やその周囲に生じる最も一般的な神経血管性頭痛は片頭痛です。
4.上顎洞性歯痛
副鼻腔は風邪などにより炎症を起こすことがあり
鼻からの影響で起きている上顎洞疾患の疾患で歯痛を起こすことがあります。
5.心臓性歯痛
狭心症や心筋梗塞などの疾患に関連した歯痛が数多く報告されています。
6.精神疾患または心理社会的要因による歯痛
精神疾患のなかの身体表現性障害の場合
特に身体化障害や疼痛性障害で歯痛が生じます。
また、統合失調症、うつ病において身体症状として歯痛が出現することも知られています
7.特発性歯痛
明らかな原疾患がはっきりしない歯痛があります。
原因不明の痛み、といえます。
以上のように、多くの原因により「歯が原因でない痛み」が生じます。
頭痛、心臓疾患、上顎洞疾患、精神疾患と関連する場合
それぞれの治療を担当する科が異なり
複数の医療機関の受診により加療に時間がかかることが多いです。
特に痛みは量的に測ることが難しく
痛みの表現にも個人差があるため
医療者側の知識・技術にもまして
治療を医療者任せにせず
医療者と協力して痛みに対応していく患者様の姿勢が重要となります。
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