autopsy
Posted By Dr. Feelgood on 2011年4月26日
ひたちなか東署によると、12日午前10時5分ごろ
ひたちなか市の那珂湊漁港の沖合約60キロの海上を
航行中のタンカーが漂流している遺体を発見
県警は22日、 東日本大震災で被災した福島県の女性と確認したと発表した
県警によると、遺体は腐敗が進み、身元特定は困難だったが
歯にインプラント(人工歯根)治療した 形跡があり
インプラントの製造元などから南相馬市の歯科医院を割り出し
治療痕や歯型で特定したという
当院でも、高齢者施設に入居されている方や
認知症で義歯をなくしやすい方には
入れ歯にNAMEをお入れしているが
今回のような未曾有の大津波の被害であると
取り外しの義歯は口の中から外れ、一緒に流されてしまう可能性がある
宮城県警によると、15日までに遺体安置所に収容された計8326体のうち
7051体の身元が判明し遺族に引き渡された
また県警は先月末から、DNAなど身元特定につながる資料を保存した上で
遺体の管理を自治体側へ移す措置を取っており、800体以上を引き渡した
先日、宮城県石巻市で、歯を調べて身元確認に協力した
愛知県歯科医師会の須賀均先生(60)=同県岡崎市=の記事を読んだ
日本歯科医師会チームに加わって、100人近い遺体の記録を取った
1994年の中華航空機墜落事故でも身元確認に協力したベテランだが
1000人もの遺体が並ぶ光景を見て、茫然とした
検視場所は津波に遭った青果市場の跡地
ヘドロの上にビニールシートが敷かれ、袋に包まれた遺体が隙間なく並ぶ
自家発電の暗い電灯の下、遺体の口を懐中電灯でのぞき
虫歯や差し歯など治療痕を探していく
最もつらいのは子どもの検視
きれいな顔をしたままの小さい口を開く作業は悲しくて仕方ない
娘や息子の小さい時を思い出し、身につまされた
周囲では身内を確認した遺族の泣き声が常に響く
「お母さん、起きてぇ」
10歳ぐらいの女児は1時間近く遺体にすがっていた
昼食はおにぎり2つかパン2個
いつも空腹で身も心も苦しい作業
一刻も早く家族のもとに返したい という思いが支えだった
遺体の傷みが進めば、歯の記録が身元確認に重要な役割を果たす
須賀先生は
「私たちは命を救えない。でも、家族の悲しみを少しでも癒やすことにつながれば」
と話した
口で協力したいというのは簡単だが
実際に現地へ駆けつけ、激務にあたるというのは容易なことではない
検視にあたって下さっている先生方に、心から敬意を表します
Comments
Leave a Reply