出血大サービスのお話
Posted By Dr. Feelgood on 2011年9月21日
これは、金属の価格が値上がりしているためで
現在の制度では、半年ごとの価格の変動が5%を超えた場合に
保険で定められた材料価格の値上げ又は値下げが行われている
値上げは半年ぶりだが、2008年のリーマンショック以降の株式市場の低迷などで
投資家は安定資産とされる貴金属の”金“への投資が人気を集めその傾向が強まっている
以前ブログhttps://sugiyama118.jp/blog/2010/11/30/931/ でお話したように
保険診療で使う銀歯は「金ー銀ーパラジウム合金」といって
12%の金、約80%の銀、残りがパラジウムなどその他の金属という合金
この「パラジウム」がいわゆる「レアメタル」というやつで
この合金の価格が高騰する原因になっている
2009年12月には、30gあたり20,000円だった金ー銀ーパラジウム合金は
そのまま値段は上がり続け、現在では30,000円近くにまで達している
この高騰に保険点数が追いつかず赤字覚悟で診療を続けなくてはならない
しかも良い材料であるなら多少の妥協もするが
白金加金やセラミックスのような天然歯に近い表面性状で汚れが付きにくいものに比べ
細菌性プラークを吸着するしやすい、あまり衛生的に良いとは言えない材質
世界広しといえども、日本でしか使われていないこの合金は
保険がきくので、患者負担が少ないだけが取り柄みたいな感じなのである
いつまでもこんな金属を保険適応の主流にしているこの国はいったいどうなっていくのか
保険診療で金ー銀ーパラジウム合金を使えば使うほど、歯科医院は赤字になってしまう
この出血大サービスをいつまで厚労省は我々に押し付けるのだろうか?
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