表面麻酔のお話

Posted By on 2012年1月12日

 

以前にも

シビレるようなお話 や 痛っ!のお話

 お話したように

歯科治療において麻酔

切っても切り離せない無くてはならないものです

歯医者が嫌われる一番の原因は

「痛くされる」

これに尽きるのです

ですから痛くない治療をする為に麻酔をします

すると、こうおっしゃる方がいます

麻酔が痛い!

だったら痛くない麻酔をするように考えてます

当院では昨年後半から表面麻酔(注射の麻酔をする前の麻酔)に

ペンレスというテープ式表面麻酔を使用しています

従来のゼリー状の表面麻酔は麻痺させる効力も弱く

唾液に混ざって流れると、とても苦くて不快になります

しかしペンレス

高濃度の局所麻酔剤(キシロカイン)を接着面に含んだ透明のシールです

無味無臭ですから唾液が付いて流れても問題ありません

2~3分、浸潤麻酔の注射針を刺す部分に貼り付けておけば

刺す時の痛みは殆どなくなります

この表面麻酔は歯科ではあまり使われていません

実は内科などで静脈注射をする時や点滴、透析(静脈留置針穿刺時の疼痛緩和)

皮膚科で水イボを摘み取る時に使われているものです

皮膚では処置の1~2時間前に貼り付けておくとの事です

それをお口の中の粘膜に使用するわけですから

お子さまや恐怖心の強い方にはビックリするほど

効果が抜群です

麻酔した事がわからなかったというのが患者様の声です

私自身も先日、内科の定期健診の日の朝

腕の静脈部にペンレスを張ってクリニックへ向かいました

いざ採血!

歯科で使う注射針より何倍も太い針がブスッと血管へ刺さりましたが

全く痛みを感じませんでした!

凄い威力です ペンレス

しかし、こんなに画期的な良い薬が

残念な事に全国の歯科医院で、あまり使われていません

いや、主にコストの問題がのしかかり、使えないのです

飛び抜けて高価な薬ではないのですが

当院でも一枚のシートを数分割して

経済的に使用しています

今の歯科保険制度では赤字覚悟で自腹を切って

この薬を使うのは非常に厳しいのが現実なのです

しかし

患者様の痛そうな表情を見ながら注射するのは

とてもかわいそうで、私にとってもとても辛いものです

患者様も私も快適に歯科治療を行えるのなら

多少のコストは仕方がないと考えています

優れた良い物が手軽に使えるような医療制度になることを

今後も叫び続けます

 

About The Author

The Damnedやツネマツマサトシ、The Stoogesなどのカヴァー曲をリハーサルした後、初めてのライブをコイケミュージックホールで行なう。あまりにもメチャクチャで荒々しい演奏のせいで、わずか15分ほどで電源を切られTHE HOODLUMのデビューライブは終わった。そんな原点が今の活力!歯科医師としての情熱に繋がっている。

Comments

2 Responses to “表面麻酔のお話”

  1. 伊藤ともかず より:

    粘膜?には使用してはダメとネットで調べたら書いてあったんですが、なぜなんでしょうかね。痛くない治療の病院を探し中の者です。失礼^します。

  2. Dr. Feelgood より:

    伊藤様コメントありがとうございます やはり少なくとも麻酔薬のアレルギーに対する危険度からそのような事が書かれていたのかもしれません。皮膚より粘膜の方が吸収が速く効きやすいですからね。以前に麻酔の経験がありアレルギー症状等がなければ全く問題は無いはずです。

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