Posted By Dr. Feelgood on 2012年1月19日
日曜日の朝から子供たちの大騒ぎで起こされる
朝食のパンの取り合いらしい ケンカ!
なにっ?ランチパックは1枚入りもあるのかぁ
分けろ イヤだ 我慢しろ イヤだ
ごはん食べろ イヤだ 半分にしてやる イヤだ
じゃもう一つ買いに行くかぁ? だってお姉ちゃんが○×△□・・・・
ん~ふざけんなぁ
食べ物の事でゴチャゴチャいうんじゃねぇ~
めんどくせぇ
ここは“戸塚ヨットスクール”どぅぁ~
星一徹に へんし~ん!
もう慣れっこで、めそめそするような歳でもない
“分け合う”という思いやりを大切にすると約束してくれた
静かないつもの朝に戻った
予定の何も無い日曜日は
リュックを背負って子供2人と歩いて旅に出る
それが“石垣山”だったり“吾妻山”だったり
“わんぱくらんど”から“諏訪の原公園”へ抜けるコースもなかなか良い
“いこいの森”の端にある【クヌギの広場】の「ターザンロープ」は
この季節、人っ子一人いない超穴場だ
リュックの中身は少々のお菓子と、ちょっとした着替え
サンタさんから届いたバッテイィングマシン(ドンキで同じような物が398円で売っててショック!)
スポーツ新聞そして2,3冊の文庫本だ
この日も朝の食卓での“寺内貫太郎一家”が嘘のように
一人になれて嬉しそうな母親の普段では見せないような最高の笑顔に見送られて家を出た
一昔前なら『♪日曜母さん起こサンデー』だったな
山道を歩きながら落ちているみかんを蹴飛ばし急坂に転がして競争したり
“ひっつきむし”を捥いでは投げて服に付け合ってふざけながら・・・
子供たちは公園に着くと、リードを外した飼い犬のように
生き生きと伸び伸び走り回る
しばらく野球などの相手をしてやるが
ボールが当たって、こちらが死んだふりをすると
遊具や滑り台の方へ消えていく
そうなれば
ようやく私の休日がはじまる
日向のベンチを見つけて
を開き、ゆっくり見わたす
荒れそうで面白そうなレースがあれば、すかさず競馬を打つ
ケータイで簡単に馬券が購入できる なんとも便利な時代になった
「喉が渇いたぁっ」
子供が戻ってきてペットボトルの麦茶をゴクゴクッと飲むと、またすぐ散っていく
「お腹空いてないかぁ?」
振り向きもせず後ろに手を振ってイラナイのしぐさ
となりのベンチにご高齢のご婦人が腰掛けた
お孫さんであろう 飛び跳ねる子の姿に目を細めている
そこで“フォレストガンプ”になれないところが
私のセンスの無い人見知りな人生なんだなぁ
仕方ない リュックから文庫本を取り出す
最後の無頼派といわれる 伊集院 静さん
ベストセラーはあまり読まないのだが、この日はこれを硬くて軋むベンチで
『大人の流儀』 『続 大人の流儀』
週刊現代に連載されていたので読んだ話もちょろちょろ出てくる
途中まで読んでいると あの“バイブル”の事を思い出した
大学を卒業し新宿まで通勤してた頃、鞄にいつも忍ばせていた
“粋”“心意気”という事を教えてくれた本だ
池波正太郎さんの 『男の作法』
食事、服装、旅行、酒、人付き合いなど、生活に密接に関係した
男が男として生きるための作法・心構えが優しい口調で書かれている
なるほど なるほど と素直に心が受け入れる
昭和59年(1984年)に発行されたのが信じられないような
全く古さを感じさせない男のバイブル 座右の書である
一方、伊集院氏はちょっと乱暴だ
日常生活、政治経済、仕事、旅行、趣味、料理やお酒の話から恋愛や夫婦のことまで
真の大人とはどうあるべきかが
人生経験を背景とした著者の機知に富んだ説得力のある言葉で語られている
波乱万丈 破天荒 異端児、この表現はどれも失礼でお叱りを受けるだろう
私はこの本を、飲んだくれオヤジの愚痴や説教、毒舌だと評する輩とは
きっと酒を酌み交わしたり、いっしょに旅行に出かけたりする事は出来ないと思うw
いや彼の語っている事すべてに共感できるわけではない
『男の作法』と比べてくれるな と思う方もいるだろう
だけど お行儀が良いことだけが大人の男の心得ではないのだ
しかし、彼の生き様はカッコいい
いや、羨ましいというのが素直な感想だ
3年前に父を亡くし
叱ってくれたり 教えてくれる人はもう私の身近にはいない
もうすぐ50歳になろうとしている
今後の生き方をちょっと考え始めている
一家の食卓で、いくら子供は食べ盛りでも、家長と子供が同等ではおかしいのではないか。
家庭の中で妙な平等を教えるから、世の中に出た時、社会までが平等と誤解してしまう。
懸命に働いて帰ってきた家長の晩酌のビールがいつも発泡酒ではおかしいのではないか。
きちんとしたビールを出せ。きちんとしたウィスキーを出せ。
子供の記憶にきちんと植えつけるのだ。
「オヤジ(パパでもいいが)いい酒を美味そうに飲んでるな」
-当たり前だ。ワシは働いとるんだ。
つまり物の値段とは正当な労働と同じ価値のものなのだ。 『大人の流儀』より抜粋
この晩 大好物のヒューガルデンを
子供たちの前で美味そうに飲んでみせた
しかし瓶の裏ラベルに“発泡酒”と書いてあるのだ
芳醇なベルギービールも
日本の酒税区分では発泡酒に分類されるらしい
「それがどうした」
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