チクロのお話
Posted By Dr. Feelgood on 2011年12月22日
文部科学省は2011年度版の学校保健統計調査の速報データを発表した
発表されたデータの中から
子供達のむし歯の状況の推移を見た
終戦直後の1940年代後半は40%程度で低めだったものが
1960年代までには高水準に移行していく様子がわかる
私はこの60年代半ばから70年代前半の“高むし歯率時代”に幼少期を過ごした
毎日のように駄菓子屋の前で仲間とたむろしていた
最高のたまり場だった
1日の小遣い10円~20円を握りしめ 今日は何を買おうといつも迷いに迷った
50円玉が大金に思え
100円玉は親父にタバコを頼まれた時にしか渡されなかった
ある日、親の財布から500円札を盗んできた鍵っ子がいて
ビックリして怖くなってみんなその子から逃げたw
当時の食品添加物
特にお菓子には人工甘味料“チクロ”(甘さは砂糖の30倍から50倍)が多く使われていた
めっちゃ甘でわずかに苦い後味が幼い私達を中毒にさせたのである
人工甘味料だけならむし歯にならないと言われていたが
これを砂糖に混ぜて合成着色料もふんだんに使っていたのだから
むし歯になるのは当たり前
舌ベロがオレンジだったり、紫だったり、緑だったり、真っ青だったり
お口の中はいつもサイケデリックだった
むし歯だらけの味噌っ歯でねじってあけたチューチュージュース(本物はもっとドクドクしい色)
合言葉は「チクロ飲もうぜぇ!!」
しかし、残念ながら いとしの“チクロ” は
発がん性の疑い(膀胱癌を引き起こす)をかけられ
1970年には全面的な使用禁止の憂き目にあってしまった
現在、コンビニやスーパー、イベントで「懐かし屋」みたいな感じで
売られている駄菓子は
あの当時の毒っぽい!?風味がない
いくら当時のパッケージを復刻していても
あれは本当の駄菓子じゃない!
当たり前だチクロが入っていないんだから
40年以上経った今でも、三角公園で仲間と吹きながら遊んだ
“コリスの笛ガム”のあの音が耳に残っている
“粉ジュースの素”を発見すると
水に溶かさずそのままパラパラと口に放り込み
必ず舌ベロの色を鏡で確認したくなる
焼き鳥屋で串を横に引くと、砂糖のまぶした“カステラの串刺し”を思い出す
あの頃は一つ買うと小遣いが吹っ飛んだ“ライスチョコ”を見つけると
ついつい箱買いしそうになる
そんな禁断症状が現われる私は本当にチクロ依存症なのかもしれない
今も近所に住むあの頃の仲間と時々飲んだり、バカやったりするが
膀胱癌で死んだヤツは一人もいない
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