“はじまりはいつも雪”のお話

Posted By on 2012年2月29日

私が大学生時代を過ごした塩尻という所は

一晩で車が半分埋まるくらい雪の降る街だった

湯沸かし器の水抜きを一晩忘れただけで

湯沸かし器はパンク 修理が必要となり

大家さんに“すいません またやっちゃいました”ということになる

冬休みに風呂の水を抜かずに帰郷した後輩は

戻ってきた時に、凍って真っ二つに割れた風呂釜を見て呆然としていた

酔っ払った先輩が雪道で滑って転んだ瞬間

手に持っていたキーケースを新雪の中に放り投げてしまい

夜通し『ジョンバ』を持って“大貫さんゲーム”!?をやらされた事もあった

当然、今日のようにドカッっと雪が降ると

あの頃の事を思い出す

私は大学に入学するとすぐに

地元のタウン誌で“バンドメンバー募集”を呼びかけた

しかもバリバリのPUNK ROCKをやらないか!って感じで

どんな“ど”がつく田舎の街でも音楽は世界共通wのはず・・・

数日後、たった一人だけ応募してきた男がいた

松本の某有名ギター工場に勤めているのだというその男

電話では東京の中学を卒業後ギタリストを目指して自宅から逃亡?し

なぜかこの地へ流れ着いたと話した

やたらとうるさいポンコツバイクが乗り付けた

背中にヘタくそなペイントを施した安っぽい革ジャンに身を包んだその男は

待ち合わせのコンビニの前で髪の毛を逆立たせて

ぼぉっと青白く光る私(当時はそんな感じ)に

気取った言い方で話しかけてきた

「もしかして待ち合わせた“こ”ぉ?」

“コ”ってなんだよ“子”ってぇ

童顔だった私は完全にナメられたw

こりゃイカンと思い 近くだからと

自分のアパートに奴を連れ込んだ

当時は、男でも女でも初対面で部屋に連れ込む事が

“罪”にならない時代だったと記憶しているw

ドクターペッパーを飲みながら

ハッタリのカマし合いから始まり

部屋中に張られたDAMNEDやSham69の切抜きで盛り上がり

Dead Kennedysや999のレコード聴きながらハジケた

話せば私より3つも年下の16歳だった

K太と名乗った

おもしれぇ!小僧!生意気だけど憎めないタイプだ

ビュッとマッチを擦ってK太の咥えたハイライトに火を点けた

オレと組まないか!」

笑いながらまたドクターペッパーで乾杯した

片隅に立てかけてあったギターをK太が手に取った

♪ジャ~ンっ

何かが起こりそうな予感がした

地獄へドライブの始まりだった

19の頃さ

 

 つづく・・・

 

About The Author

The Damnedやツネマツマサトシ、The Stoogesなどのカヴァー曲をリハーサルした後、初めてのライブをコイケミュージックホールで行なう。あまりにもメチャクチャで荒々しい演奏のせいで、わずか15分ほどで電源を切られTHE HOODLUMのデビューライブは終わった。そんな原点が今の活力!歯科医師としての情熱に繋がっている。

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